30代後半からの不妊治療(5)
こんにちは。すえぞうです。
本日は、不妊治療に関する話の続きを記載したいと思います。
男性不妊と低AMH
Bクリニックで初診を終えた我々は、その結果をもとに不妊治療の今後の方針を検討することとしました。
Bクリニック受診までの我々の方針は対外受精の治療にできるだけ早く取り掛かるということでしたが、これはAクリニックでの検査の結果、管理人が重度に近い精子無力症、奥さんは低AMH値で卵胞が少なくなりつつあると診断されたためです。。
まあ、簡単にいうと夫婦ともに子供ができる水準を判定する数値が、当初、非常に悪かったということなのですが・・・Bクリニックの診断結果がこの方針を若干修正させることとなりました。
※不妊治療初心者の方向けに、下記、簡単に精子無力症とAMH値のご説明です:
精子無力症
男性不妊には精液中に精子が一匹もいない「無精子症」、精子の数が少ない「乏精子症」、精子の数は正常だが精子の運動率が悪い「精子無力症」、勃起障害等性機能不全等がありますが、管理人の場合は、上記のうち「精子無力症」に該当しました。
精子無力症と判断されるのは、精子運動率が40%以下、前進運動率が32%以下の場合です。精子運動率が20%~40%の場合は中度の精子無力症、10%未満の場合は重度の精子無力症といわれていますが、管理人の初回の数値は18.4%でしたので、この数値だけ見ると、重度に近い精子無力症であったと言えます。
低AMH
AMHとは、アンチミューラリアンホルモン(または抗ミュラー管ホルモン)の略で、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。AMH値は、卵巣内にどれくらいの卵の数が残っているかを 反映すると考えられています。AMHの数値が低いということは、卵子を育てる袋(卵胞)が少なくなってきているということです。
卵胞には、そのもととなる原始卵胞がありますが、女性は、生まれる時にはこの原始卵胞を卵巣に約200万個蓄えています。そして、生まれてから月経のはじまる思春期頃には、約170万個から180万個が自然に消滅、 思春期・生殖年齢の頃には約20~30万個まで減少します。その後も一回の月経の周期に約1000個が減少しているといわれていますので、年間では1万2千個程度が減少していることとなります。。
Aクリニックでの検査の結果、奥さんのAMHは1.87ng/mLで41歳から42歳の年齢に相当する数値でしたので、質はともかく、卵胞の数という意味では残された期間にそれほど余裕はなかったということになります。
今後の治療方針
上記2つの要因で最初から体外受精を行う予定だった我々ですが、Bクリニック受診後に、以下の理由により治療方針を若干修正(先延ばしに)することにしました。
- 精子運動率が改善
- 子宮卵管造影検査後のゴールデンタイム
- 高額の医療費
精子運動率について
管理人の精子の運動率が18.4%→59%へと大幅に改善しました。Aクリニックでは医師から運動率18.4%という数値をもとに最初から顕微授精を勧められた我々ですが、そもそもAクリニックの検査に用いた精子は家から持参したもので、鮮度は劣りますし、密封された容器の中で数時間保管したものと現地で採取した精子とでは数値が異なるのは当たり前のような気がします。。(- -;)
精子の運動率検査では、1度の検査ですべてを判断するなんてできないはずなのに、初回の数値のみ見て何も考えず顕微授精を勧めるなんて、ほんとに(Aクリニックの医師は)最低最悪の医師です。いくら有名で、実績があり、人気があるクリニックでもこの医師に掛からずホントに良かったと思います……
と、話が逸れましたが、Bクリニック受診の結果、管理人の男性不妊の可能性が薄れたことが、対外受精を先延ばしにする理由の一つとなりました。
子宮卵管造影検査後のゴールデンタイム
子宮卵管造影検査は、子宮の中に油性の造影剤または水性の造影剤を注入して子宮の状態や卵管の通り具合、詰まっていないかなどをみる検査ですが、奥さんはこの検査をAクリニックにて7月に受診していました。
一般的に子宮卵管造影後は妊娠しやすい時期=ゴールデンタイムがあると言われていて、検査後約半年間は妊娠する確率が上がって妊娠しやすい時期が続くようです。
精子運動率が改善したことに加え、年明けまではこのゴールデンタイムが継続するということも対外受精を先延ばしにした要因の一つです。
高額の医療費
対外受精は社会保険適用外となります。そのため患者が負担する医療費も高額となります。特にこちらBクリニックはその専門性の高さからかなりの高額となります。。。成功報酬制度を利用しない場合は採卵から胚移植で(凍結胚移植の場合)1回につき45万円、成功報酬制度を利用し成功した場合は60数万円と非常に高額です。。
Bクリニックの体外受精の妊娠率は36%と非常に高い率ですが、それでも複数回受精に挑むことも覚悟しなければなりませんので、始めるにあたり十分な資金が必要となります。
上記3つの要因を考慮し、夫婦で話し合った結果、我々が決めた方針は…
「年明けまでは、ゴールデンタイムを活かし、基礎体温等をベースとしたタイミング法で妊活し、それでもできない場合は、年明けに年度末の賞与等で資金を潤沢にした上でBクリニックにて対外受精(恐らく顕微授精)を行う」
ということです。
奥さんの低AMHは気になるところですが、先立つものがなければ事は起こせません…
入籍はしたものの、結婚式も新婚旅行も来年(2016年)の春に実施する予定でしたので、それも合わせて検討し、対外受精の実施を一旦見送ることとしました。。結果的には、この判断が吉となるのですが、その話はまた次回以降ということで…