資産運用: インド債券への投資
今回は資産運用関連記事の更新、前回の続きです。
インド債券への投資を決めた管理人ですが、最終的に選んだファンドは??
管理人がファンド(投資信託)選択にあたり注目したポイント、選択したファンド及びその理由を今回は記載したいと思います。
目次
管理人がファンド選びで注目したポイント
債券の投資信託を購入する場合、気を付けるべきポイントはいくつかあるかと思いますが、管理人が注目したポイントは以下の通りです。
- 購入時手数料
- 信託報酬及び信託財産留保額
- 純資産総額と分配金
- デュレーション
- 年率リターンとシャープレシオ
- 投資銘柄の平均格付
上記6点が管理人が注目した主なポイントです。なお、外国債券(以下、外債といいます。)に投資する場合は為替ヘッジの有無も気になるところですが、インド債券関連の投信でヘッジ有のものは確認できなかったので、今回は考慮しませんでした。
以下、それぞれの項目についての説明及び管理人なりのコメントを記載したいと思います。
購入時手数料
投資信託を購入する際に販売会社に支払う手数料のことです。手数料率は通常、購入価格の0〜3%程度となります。これは、対象の投資信託を販売する証券会社等によって異なる場合がありますので、購入を希望する投資信託を複数の販売会社が取り扱っている場合は注意が必要です。また、手数料が無料の投資信託もありますが、手数料無料の場合は「ノーロード」投資信託と呼ばれています。購入時に毎回発生するものなので、当然、手数料が安いファンドが望まれます。
信託報酬及び信託財産留保額
信託報酬(運用管理費用)は投資信託を保有している期間中にファンドの委託会社、販売会社、受託会社に支払われる報酬で、年率約0.05〜3%程度で設定されています。投資信託の中でもTOPIXなどの指数と連動するように作られたインデックスファンドは、信託報酬が低い傾向にあり、逆に、積極的に運用を行うアクティブファンドは、信託報酬が高くなる傾向があります。
信託財産留保額は、換金時に負担する必要がある費用で、通常0~0.5%程度となっています。
どちらも毎年発生する費用ですので、報酬率の低いファンドが望まれます。
純資産総額と分配金
純資産総額とは、ファンドの資産(株式、債券、現金等)から負債を差し引いた額で、ファンドの日々の価値総額です。日々公表される基準価額は、この純資産総額を口数で割った数値となります。一方、分配金は債券ファンド等で定期的にファンド保有者に分配される金額となります。
分配型の債券ファンドでは、「本来であれば複利(※1)で運用されるはずであった資産を毎月投資家に分配するため基準価額の減少要因となる」ことに加え「分配金計算期間中の運用収益(配当収益及び資産の評価益)を超えて分配金を支払う場合もある」ため、資金流入が少なく、純資産も少額で目減りしているようなファンドの場合は、分配資金を捻出するために評価益がでているような優良な組入銘柄も売却せざる得ないような状況となることもあると考えられます。
そのため、運用の悪化、引いては更なる純資産の減少につながり、結果的に基準価額が次第に減少…そのファンドに投資している投資家はその分、損を被る…とういうような事態も起きかねません。
ただし、一方で、流入資金が潤沢で、適正な分配金額が設定されており、分配金をカバーできるほどの収益をあげているファンドであれば、定期的に分配を行うことはさほど問題にならないのではないかと管理人は考えます。
(※1)複利とは複利法を利用して計算される利息のことで、元本と利息を合計してさらに利息をかけていくことを繰り返すことで増加する利息のことです。
デュレーション
デュレーションとは、債券投資において用いられる指標の一つで、債券投資の平均回収期間を表す数値です。また、債券価格の利回り変化に対する感応度を示す指標としても用いられることがあります。数値は年数で表記されますが、この年数が短いほど、平均回収期間が短く利回り変化に対する債券価格の感応度(変化率)も低くなります。
債券の利回りが低下すると価格は上昇しますが、デュレーションが長い債券ほど、この価格上昇は大きくなります。
一方で、利回りが上昇した場合、デュレーションが長い債券ほど、価格下落が大きくなるということになります。
管理人はできるだけリスクを取りたくない運用をしたいので(価格上昇のメリットより下落リスクが怖いので)、相対的にデュレーションが短い債券ファンドが望ましいと考えました。
年率リターンとシャープレシオ
年率リターンは年毎のファンドリターンを幾何平均したもので、運用期間を通じて過去、年間どの程度の収益を上げたかが確認できます。
シャープレシオはリスク(リターンから算出される標準偏差)1単位あたりの超過リターン(安全資産に対するリターン)を測定する指標で、ファンドのリスクを考慮した場合、どの程度の収益をあげたかが確認できる指標です。どちらの数値も当然、高いほうが望ましいのですが、過去のリターンが将来のリターンを保証する訳ではないので、あくまでも参考指標として利用することにします。
投資銘柄の平均格付
投資対象が債券の投資信託であれば、組入対象銘柄の平均格付が気になるところです。
債券の格付はS&P社やムーディーズ社など格付機関が個々の評価を行い発表しています。S&P社ならBBB以上、ムーディーズ社ならBaa以上を投資適格債(とうしてきかくさい)といい、同様にBB以下、Ba以下の債券はハイイールド債と呼ばれています。
投資適格債とは、発行体のデフォルト(債務不履行)リスクが低く、信用力が高い債権で、投資しても元本割れの危険性が低い比較的安全な債券です。一方で、ハイイールド債は元本割れの危険性が高い債券となりますが、その分利回りも高い債券となります。
管理人はどちらかというとリスク回避型の投資を行う方針ですので、可能であれば平均格付が投資適格クラスのファンドを選択したいと考えています。
…と、上記6点が管理人が投資対象とするファンド(投資信託)を選択するにあたって注目した点です。では、実際に選んだファンドは??
以下に投資対象とするファンドとその理由を記載したいと思います。
管理人が投資対象としたファンドと選択理由
まず、結論から先にいうと投資対象とすることを決めたファンドは、「野村インド債券ファンド(毎月分配型)」です。
このファンドを投資対象とした理由は以下の通りです。
- 純資産総額が1,400億円台(2017年6月現在)と他のインド債券ファンドと比較し飛びぬけていた
- シャープレシオ及び過去のリターンが同クラスのインド債券ファンド内で最も高かった
- デュレーションが4年程度と他のインド債券(5年程度)と比較し短めだった
- 組入債券の平均投資格付けがBBBと投資適格だった
- 信託報酬や購入時手数料はどのインド債券も同程度だった
まず、純資産総額ですが、他のインド債券ファンドは1,000億円未満であるのに対し、このファンドは1,400億円台と飛びぬけていました。また、リスク調整後のリターンであるシャープレシオも最も高く、デュレーションも相対的に短め、と管理人の当初の前提とマッチしていました。
分配型のファンドですので、毎月の分配により純資産総額は目減りしていきますが、恐らくそれをカバーできるだけの収益と資金流入はあるのではないかと想定しています。
ただ、信託報酬と購入時手数料は高めですね…どのインド債券ファンドもそうだから仕方ないのかもしれませんが、このファンドの場合、信託報酬等が1.64%、購入時手数料が3.24%に設定されています……何もしなくても購入時点で既に年間4.88%のマイナスとなりますので、それを十分カバーできるくらいの収益は欲しいところですが…
基準価額が投資時の水準から変わらず、月々の分配金(2017年6月時点100円)も変わらないと想定すれば、これだけで年間6.5%(分配金累計7,800円÷投資額累計120,000円)のリターンは確約されていますが、報酬等込みで年間最低5%程度のリターンをあげるにはあと3%強のリターンが必要です…うーん……状況によっては売却することも視野に入れて運用する必要がありそうですが、なんとかなりそうな数値でもありますね…基準価額が少しずつでも上昇してくれると良いのですが…
…今後、市況等注視していきたいと思います。
と、今回も少し長くなってしまいました…
今後も、このブログでは管理人の投資の状況や運用成績、インド、世界の市況に対するコメント、情報などを記載していく予定ですので、コメント等あれば頂戴できればと思います。
なお、このブログで記載する投資信託等は、あくまで管理人の主観と自己責任で選択、投資する金融商品であり、その商品への投資を推奨するものではありませんので、その点ご留意下さい。
すえぞう