ふるさと納税の減税額・還付額について


ふるさと納税で納税した額はいつ、いくら還付、減税されるのか?

確定申告後、税務署から届いた通知書で還付金の額を確認したら、還付額が想定していた金額より少なく、驚かれた方もいらっしゃるかと思います…

ふるさと納税を行い、2千円以外は何らかの形で税金から減額されてるんだろうと思いつつ、うやむやになっている方も多いのではないでしょうか?

実は管理人もそうでした…

ということで、今回はふるさと納税の還付額、減税額について調べた内容をご紹介したいと思います。

ふるさと納税による減税額・還付額

ふるさと納税を行なった後の、還付額、減税額は申告の方法によって異なります。

当ブログ「ふるさと納税の仕組み」でもご紹介しましたが、ふるさと納税の申告方法は①「ふるさと納税ワンストップ特例」を利用する場合と②「確定申告」の2つの方法があります。

それぞれの申告方法で還付、減税される時期と金額が異なりますので、以下でそれぞれのケースをご説明させて頂きます。

なお、下記説明はふるさと納税の納税上限額以内で納税を行なった場合ですので、上限額を超過して納税している場合は、超過分は全て減税対象外(減税が適用されない自治体への寄附金)となる点、ご留意ください。

 

①「ふるさと納税ワンストップ特例」利用時の減税額

まずは、「ふるさと納税ワンストップ特例」を利用した場合です。例として前年度(前年の1-12月)にふるさと納税を6万円行なった場合(前年度の課税所得5百万円の場合)をご紹介致します。

減税額の受け取り額、受け取り時期

「ふるさと納税ワンストップ特例」を利用した場合は、税務署からの所得税の還付金は受け取ることが出来ません。2千円を除いた全額が6月以降に納付することになる今年度の住民税からの減額となります。

住民税からの減税額は以下の通り計算されます:

今年度の住民税からの減税額=60千円-2千円=58千円

 

つまり給与所得者であれば、58千円÷12=4,833円が、本来納税するはずだった月々の住民税から減額(特別徴収)され給与を受け取るということになります。

 

②確定申告利用時の還付、減税額

次に確定申告を行なった場合です。

確定申告で税還付がある場合は、通常、確定申告後1ヶ月から1ヶ月半後に還付金を受け取ることができますが、この時受け取れるのは所得税減税分の還付金のみとなります。残りの住民税減税分については、6月以降に納付することになる今年度の住民税額からの減額となります。

ふるさと納税の確定申告をされて、税務署からの通知書に記載されている還付額(口座振込等で直接受け取れる還付金)が想定していた額より少ないと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これは還付された額が所得税の還付のみであったためです。

以下、具体例を挙げてご説明させて頂きます。

所得税の還付金

まず最初に受け取ることができる所得税の還付金ですが、これは各個人の所得金額によって還付税率、還付額が異なります。

所得別の還付税率は以下の通りです:

課税される所得金額(※) 税率
195万円以下 5%
195万円超-330万円以下 10%
330万円超-695万円以下 20%
695万円超-900万円以下 23%
900万円超-1,800万円以下 33%
1,800万円超-4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

※国税庁HP記載の数値を抜粋

今回は課税所得5百万円を前提としていますので、適用される税率は20%となります。

税率20%の場合の所得税の還付額は次の計算式で算出します:

所得税分の還付金=(ふるさと納税額-2千円)×所得税の税率=(60千円-2千円)×20%=11,600円

 

前年度の課税所得5百万円の方は確定申告後1ヶ月程度で11,600円を受け取れるということですね。

住民税の減額

確定申告の場合は、所得税分で還付された残りの金額が住民税分の減額となります。上の例でいうと6万円のふるさと納税分の残りは、6万円から自己負担の2,000円と所得税分で還付された11,600円を控除した46,400円が今年度の住民税からの減額分となり、給与所得者であれば、46,400円÷12=3,866円が、本来納税するはずだった月々の住民税から減額(特別徴収)され給与を受け取るということになります。

 

因みに住民税からの控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれ内訳を上の例で計算すると以下のようになります:

住民税からの減額(基本分)=(ふるさと納税額-2千円)×10%=(60千円-2千円)×10%=5,800円

住民税からの減額(特例分)=(ふるさと納税額-2千円)×(100%-10%-所得税の税率)=(60千円-2千円)×70%=40,600円

 

簡単にいうと、ふるさと納税額から2千円を控除した金額のうち、所得税率を掛けた分が最初に還付され、残りが住民税の減額という形となるということです。ですので、よほどの高所得者でない限り住民税の減税分(給与所得者の場合は、給与から控除される特別徴収額の減額)がふるさと納税による税金減額の大半を占めるということになりますね。

 

ふるさと納税の還付、減税額については、そのタイミングも額も把握しづらいところがあるかもしれませんが、上限額内で納税し、きちんと申告さえしておけば、2千円の自己負担のみで返礼品を受け取ることができるお得な制度だと思いますので、まだふるさと納税を行われたことがない方はこの機会に検討されるのも宜しいかと思います。

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